ジャックと豆の記

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【早産だから?】乳児の貧血について

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生後6ヶ月にして、貧血と診断される

 35週の早産で生まれた息子氏。2,179gと小さめで生まれたため、低出生体重児として1週間ほどNICUに入院したが、その後の経過は順調そのもの。体重も身長も成長曲線の下限ぎりぎりから徐々に真ん中に入ってくるようになり、また発達も正期産の赤ちゃんと遜色ないため、ややもすれば早産児だったことを忘れがちだった。

 

 しかし、先日おむつを取り替えていたら、便の中に筆一筋程度の血が混じっているのを発見。ごく少量ではあるが、明らかに血便だったので大慌てで小児科を受診した。

 

 かかりつけの小児科では、「便の回数はどれくらいか」「うち出血は何回あったか」「吐き気・熱はないか」などの問診を受けた。便の回数は通常4回に対し7回と少し多かったものの、吐き気・熱はなく息子氏は元気いっぱい。出血の量も多くないことから「念のために」採血して血液検査をすることに。

 

 赤ちゃんの採血はそけい部から行われるらしい。そけい部に針を刺され、注射器のシリンダー1本分の採血を実施。血を採られている間じゅう、息子氏はわんわん泣いたが、針を抜かれたらすぐに静かになった。痛みに強い子なのかもしれない。

 

 翌日、幸いにも血便は収まった。やや軽い気持ちで、血液検査の確認のために小児科を訪れたところ、検査結果には衝撃のデータがあった。

 

 「息子さん、貧血です」

 

 なんと血液中の血清鉄の含有量が、基準値51〜198μgのところ息子氏は18μgしかなかったのだ。

 

赤ちゃんの貧血について

 小児科のお医者さん曰く、「完全母乳の赤ちゃんはどうしても貧血になりやすい」とのこと。母乳にはあまり鉄が含まれていないからだ。また、母体がどれだけ鉄を体内に持っていたとしても、母乳に出てくる鉄の量は一定である。つまり、赤ちゃんが貧血になったからといってお母さんが鉄を多く摂取しても効果はないということだ。

 

 さらに、早産で生まれた赤ちゃんは、体内の貯蔵鉄の絶対量が正期産の赤ちゃんに比べて少ないため(予定日近くになると母体から胎児への鉄の移行がぐっと多くなる)、貧血になりやすい。また、生後6ヶ月付近は体の成長に伴い、鉄を大量に必要とするためなおさら貧血になりやすい時期であるようだ。

 

 以前にも書いたが、自分は完全母乳にこだわりは全くない。ただ、たくさん出るのをいいことに母乳のみを与えていただけだ。特に母乳信仰があるわけでもないのに、息子氏が哺乳瓶を嫌がった&自分の手間を省くことを優先して、一度も粉ミルクをやらなかったことを深く後悔した。鉄を添加されている粉ミルクも飲んでいれば、少しは鉄が補給できたかもしれないのに。

 

赤ちゃんの貧血対策

 息子氏は貧血の治療をすることになった。治療内容は、経口鉄剤のインクレミンシロップを朝晩飲ませること。さくらんぼの香りのする甘いシロップで、一回の投与量は1.5ml。微々たる量だが、飲ませるところでつまづいた。

 スポイトでシロップを吸って飲ませるのだが、離乳食を吐き出すことを覚えた息子氏は、口に入れてもべーっとシロップを吐き出してしまう。離乳食ならいつか食べるだろう、という展望があるため出されても気にならないが、このシロップに息子氏の健康がかかっているとなると正気ではいられない。

 

 小児科のお医者さんに相談したところ、「一滴ずつ時間をかけて口へ滴下する」か、「粉薬を処方してもらい、口の粘膜に擦り込む」という方法を紹介された。前者は時間掛かりすぎるし、後者は赤ちゃんがむせてしまいそうだ。シロップの味が嫌いなのか、息子氏はちょっとシロップを舐めてもだいたいの量は口から出してしまう。朝晩の薬の時間を迎えるたびに、暗澹たる気持ちになっていた。

 

 だが、今日になってスポイトを止め、シロップを指につけて息子氏の口に入れてみたところ、抵抗なくシロップを飲み込んだのだ! どうやら、シロップではなくスポイトが嫌いだったらしい。今後、スプーンですくって飲ませてみたり、哺乳瓶やマグに入れたり、なんとか方法を考えてみよう。 

 

 それにしても、赤ちゃんの成長は想定外の事柄ばかりだ。子供の命がかかっているため、つい暗い気持ちになりがちだが、あくまで事実を見つめ、少しでも明るい方向を目指して行動していこうと思う。

 

 なお、早産児(低出生体重児)の貧血と鉄剤の投与については、下記のドキュメントを参考にした。

新生児に対する鉄剤投与のガイドライン

http://jsnhd.or.jp/pdf/pblcmt/pbl00301.pdf

 

 読むのは難しいが、素人でもわかるレベルで丁寧に早産児が貧血になるメカニズムと、その治療について書かれている。非常に有用なドキュメントである。