ジャックと豆の記

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授乳の悩み

乳首が痛む

 授乳というのは母と子の幸せな時間……のはずじゃないのか?

 

 自分は幸いにして母乳がよく出る体質で、出産した翌日から手搾りで何の苦労もなく母乳を出すことができた。早産のため、息子氏とは母子同室ができず、手や搾乳機で搾った母乳を注射器で吸ってシリンジへ詰め、NICUへ届ける日々だった。最初は2.5mlのシリンジに何とか入る程度だった母乳が、あっという間に哺乳瓶になみなみと注げるまでに出るようになった。今思えば、ここで調子に乗って母乳を出しすぎたのがよくなかったのかもしれない。息子氏はNICUで順当に成長し、生後6日目で初めて授乳ができたときは本当に感動した。。。が、このときすでに吸われるたびに乳首にキリキリとした痛みを感じていたのだった。

 

 授乳時に乳首が痛むのは、乳首の形状なども関係しているようだが、何よりも乳首への吸着のさせ方が下手なせいであるという。息子氏がNICUを退院して一ヶ月、完全母乳で授乳を行なっているが、未だ吸着が下手なままである。

 

 授乳前に念入りにマッサージをして乳輪全体を柔らかくしておき、赤ちゃんの頭を支えつつ、赤ちゃんが口を大きく開けたら奥まで咥えさせる、と頭ではわかっているものの、どうにも上手くいかない。奥まで咥えた、と思ったら息子氏が首を振って浅く咥え直したり、吸っても母乳が出て来なくて泣き出したり。結局、痛みは変わらず、授乳後の乳首はNUK哺乳瓶の乳首のように潰れた状態になってしまうのだった。

 ↑授乳後は、乳首の半分がこのように潰れた状態になってしまう。毎回軽い敗北感を感じる。

 

 あまり乳首が痛むときは、乳頭保護器を使って授乳する。が、息子氏は保護器が嫌いなようで、保護器越しの授乳を仰け反って嫌がる。それをなだめて授乳するのにまた骨が折れる。。。

 

 ↑ピジョンのソフトタイプ乳頭保護器を使用中。薬局で普通に売っていて驚いた。

授乳姿勢もたいへん

 授乳トラブルは乳首の痛みだけではない。自分は座高が高いため、授乳クッションを使っても乳房まで息子氏の頭を持ち上げるには足りず、最初のうちは授乳クッションの下に枕を詰めて高さを補っていた。しかし、そうすると赤ちゃんの体が全体に傾いた状態になり、安定させるのが難しい。その上、授乳は床に座布団を敷いた上に正座して行なっていたため(椅子だと子供を落とすのではないかと不安だった)、足はしびれるし肩と首は凝ってしまうし、そしてそれが1日に8〜10回も行われるのである。一回授乳するだけで疲労困憊になる日々が続いた。

 

 ただ、最初の授乳姿勢があまりにストレスが多かったために、いろいろな姿勢や抱き方を試して熟練していったのはポジティブな成果だった。NICUの授乳指導で教えてもらったのは授乳クッションを用いた横抱きでの授乳のみだったが、本やネットで調べて縦抱きでの授乳もできるようになり、正座をしなくても姿勢を安定させることもできるようになった。家での授乳を始めて一ヶ月半、授乳姿勢に対するストレスはなくなってきている。

 

授乳時間はどのくらい?

 退院してから家で授乳を始めて、「いったいどれだけの時間母乳を吸わせればいいのか?」という疑問は常につきまとっている。

 当初、息子氏が泣いておむつを確認したら、とにかく授乳していた。泣くたびに授乳を行うようにしていたら、当初3時間おきだった授乳が2時間になり1時間半になり、どんどん間隔が短くなっていき、ほとんど寝られないようになってしまった。一日中ベビーベッドの側に待機して、いつ起きるかヒヤヒヤする日々。このストレスは大きかった。

 また、授乳時間は赤ちゃんが満足して口を離すまで行なっていた。これは、片乳ずつ授乳できるので一度咥えさせてしまえば楽だったが、吸着のさせ方が下手なせいで乳首が傷んでしまい、かなりの苦行でもあった。そして、母乳がたくさん出る体質だったのために、息子氏は泣くたびに授乳された結果、退院して二週間で体重が1kgも増えた。基本的に赤ちゃんの体重増加は歓迎されるが、これは増えすぎ。息子氏のお腹は乳から産生されるガスでパンパンに膨れ上がり、常に機嫌が悪く、寝ていても顔を真っ赤にして唸っていたり。その頃は原因がわからなかったため、痛ましくて仕方なかった。

 

 この頃、息子氏の不調といつ泣くかビクビクする毎日に疲れ果て、病院で紹介された開業助産師さんに自宅訪問をお願いした。助産師さん曰く、

 

  • 1日10回以上の授乳は多すぎる
  • 泣く理由はお腹が空いているだけではない、泣くたび授乳は間違い
  • 授乳間隔は3時間程度空けるようにして、時間内に泣いても授乳は我慢する
  • 片乳ずつ5分×2クールで授乳を行う、慣れてきたら10分ずつ1クールに授乳時間を延ばしていく(最初から授乳が長いと、赤ちゃんが途中で寝てしまい、ちゃんと母乳を飲めないため)

 上記のアドバイスを受けて、授乳のやり方を見直したところ、まず、息子氏は寝ながら唸ることがなくなった。お腹がガスで膨れて出ベソが酷かったのも改善された。(未だにへそは飛び出したままだが)、また、体重の増加も緩やかになった(次の2週間で300g増加)。

 

 ただ、それでも悩みは尽きない。時計とにらめっこしながら授乳するため、時間が来たら赤ちゃんが口を動かしていても無理やり乳首を引き抜かねばならない。まだ飲み足りないように口をもぐもぐしている赤ちゃんの口に小指を噛ませて引き抜くのだが、毎回罪悪感に襲われる。また、これで母乳量が足りているのか、それとも多すぎるのかもわからない。助産師さんもインターネットも皆言うことが違う。息子氏に合わせた授乳をしてやりたいが、何が正解なのかわからない。結局、授乳のたびに悩みながら、それでも日はゆっくりと過ぎていくのだった。